Googleが最近研究を進めているアプリケーションがあります。それがスマートフォンのデータ(キャリアのデータ通信)の利用をユーザーが細かく管理できるアプリケーションです。その名は「Triangle」。そのアプリケーションがフィリピンで試験的にリリースされました。今までありそうでなったデータ通信を完全管理するアプリケーション。今回はGoogleからプレリリースされた「Triangle」をさっそく利用してみたのでこちらからご紹介します。
「Triangle」はデータ契約の残量を見たり、データ通信を大量に使用しているアプリを見つけたり、データ通信をアプリごとに制限したりすることを可能にしたアプリケーションです。
スマホ普及率が急激に伸びているフィリピンがテストの舞台に
そもそもどうしてまたフィリピンなんでしょうか。そのカギはスマホ普及率とデータ通信の購入価格にあるようです。
アメリカをはじめとした先進国では、最近では無制限データプランも一般的になってきており、自宅や職場ではWI-FIが飛び交い、データ通信料を気にせずにスマホを使用できる時代になってきました。
しかし、フィリピンではその事情が大きく異なります。フィリピンでは現在急激にスマホの普及率が伸びている一方で、スマホを持っていてもネットを利用できない状態(データ通信料を払っていない)であることがよくあります。実際に筆者の知人でも「ロードがない(データ通信枠がない)」という声をよく耳にします。
このようにフィリピンでは、まだまだスマホにネット利用を可能にするためのデータ通信料を払うことが簡単ではありません。それほど、データ通信料は高く、庶民には高価なものなのです。通話プランのみで契約するまたは、必要な時に一時的にデータを購入する(プリペード式)ことが一般的です。
BLOCK、時間指定などの細かな設定が可能にスマホの登場以来、データ料節約アプリは多く登場してきました。しかしながら、それらは基本的にデータ量を知らせるだけの機能であることがほとんどでした。それらに比べると、今回リリースされたTriangleはとても細かい設定が可能になっています。
まず個々のアプリケーションのレベルでは、データを使ってよい時間を10分とか30分とか“いつでも”とか、細かく指定できます。もちろん、全くデータを使わせない[BLOCK]設定もあります。
またGlobeやSmartをキャリアとして使っているユーザーは、プリペイドのデータ契約の残量が分かります。そして、どのアプリがデータを大食いしているかも一目瞭然です。ユーザーがデータの使用を細かくコントロールして、最終的な使用量を抑えられるようにする機能があるので、片手間で作成されたアプリケーションではなさそうですね。
Googleの野望とは??もっとも気になる点は「Googleの狙い」です。需要があるアプリケーションを広めて広告収入をなどという、今更な小金稼ぎが目的のはずがありません。
アプリケーションの無料提供で「データ使用」に関する情報収集を行い、またとんでもないサービスを世の中に送り出すための材料にすぎないのかと個人的には思っているところです。
このアプリケーションがフィリピンでどれだけ浸透していくか今後が楽しみにです。
フィリピン国内では無料でインストールできるので興味がある方は一度お試してみてはいかがでしょうか。
(REON)
Triangle現在フィリピンで、Google Play Storeから無料でダウンロードできる。