こんにちは。
台風の被害のあったレイテ島関連の報道はだいぶ落ち着いてきましたが、未だに大変な状況であることは言うまでもありません。先月の台風の影響で最も影響を受けたのはタクロバンですが、別の地域で台風の影響を受けていながらもあまりメディアにも取り上げられず、注目されていない地域があります。
セブ島の北部にあるバンタヤン島もその一つです。先日、国内団体の物資援助活動をお手伝いしにバンタヤン島まで行ってきました。その時の現地の様子や援助活動についてお伝えいたします。
現地では台風から一カ月が経った現在でも復興作業が続いていました。多くの木々が折れており、強いココナッツの木もなぎ倒されていました。
貧弱な家は風でいとも簡単に崩れたのが想像出来ました。コンクリート製の家でも屋根が剥がれ、一部壁が壊れるなど被害が見受けられ、あらためて自然の脅威を実感しました。
現地の人びとは皆で協力しながら、がれきを片付けたり、家を建て直したりしていました。しかし、未だテントで生活をしている人々もいます。
私たちが援助活動を行ったのはバンタヤン島のなかでも比較的生活水準の低い地域でした。
私たちの団体以外にも国内外から多くの団体が援助の為にやってきていました。
物資受け渡しを待つ人々です。
テレビの報道やインターネットの情報から、援助活動も困難を極めると予想しておりましたが、今回の援助活動は想像していたよりも混乱もなくスムーズに行われました。
地域の行政機関と協力し、予め名前が記載されたリストが用意されておりました。住民の人々は援助開始と共に列を作り、名前が呼ばれるのを待ちます。
援助物資は水、缶詰、お米、インスタントラーメンなどで、容易に調理することが出来きる必要最低限の物資でした。
ただ、バランガイキャプテン(地域の長)に話を伺ったところ、既に食べ物は十分にあるとの事でした。
様々な援助団体により災害前よりも食べ物が充実しているという場合もあるそうです。今必要なものは食べ物ではなく、家を建て直すための道具(かなづちや釘)や資材のようです。
被害のあった小学校ではこのように青空教室を行っていました。
もともと、バンタヤン島はセブ北部のリゾート地として有名な場所なので、台風の影響で観光客が減ってしまうことが懸念されます。
元々、のんびりとした雰囲気の漂うのどかな街でしたが、街の中を歩いていると、台風の被害を目の当たりにします。私たちが援助を行ったのは沿岸の地域でしたが、このように街の中でも被害はあります。いまだ島の中心の街でも電気が戻っていない地域もありました。
島の人々はみんなで協力しており、少しずつ復旧へと向かっています。
セブから離れている島という地理的な理由もあり、資材の搬送など難しく中々復興が進みませんが、タクロバンと共に全ての被災地が一日も早く復興する事を祈っています。
(ヤス)