これからマニラに行こうと思っている方、マニラ経由でどこかに行こうとする方は気をつけたほうが良さそうです。
一時期世界ワーストの空港として1位を飾っていたマニラのニノイ・アキノ国際空港(Ninoy Aquino International Airport=NAIA)は今年に入ってから改装工事などが行われた事により10位以内のランクから無事に離れることができましたが、今回の事件でまた悪いイメージが付きそうです。
このほどニノイ・アキノ国際空港ではX線検査で身の覚えのない銃弾を1つまたは2つ手荷物に入れられて空港職員に賄賂などを要求される事件が9月に入ってから多発しています。
検査中に乗客が目を話した隙に行われていることから、最終セキュリティチェックポイントの空港職員による犯行ではないかとの推測がメディアなどで行われています。今回の事件で日本人観光客を含む4人の被害者が出ています。
2011年から2013年にかけて、3年連続世界一ワーストな空港として知られていたニノイ・アキノ国際空港は建物の保守管理の悪さや入力審査係員による賄賂要求、タクシーなどのボッタクリが目立っていました。
これを受けてか改装工事などを行ったことで2015年のランキングでは10位以内に入らなくなりました。しかし、未だに第1ターミナルなどを中心にこれらの悪行が目立っており、信頼回復にはまだまだ時間が掛かりそうです。
そんな中、2015年の9月から空港内で行われるある犯行が、メディアを騒ぎ立てるようになりました。その犯行とは「Laglag-Bala(ラグラグ・バラ)」と呼ばれるもの。これは乗客の目を離した隙に銃弾の1つや2つを手荷物などの中に入れて、X線検査中に「銃弾を発見した」と伝え、罰金ないし賄賂を要求するものです。
ニュースのメディアによればこの様な犯行は2005年から出てきたものの、2015年の9月25日にフィリピンを訪れていた若いアメリカ人の宣教師が見に覚えのない.22cal弾を手荷物に入れられ、「これは違法だから、30,000ペソ(約77,110円)支払えば見逃す」と空港職員に言われたそうです。
今回の被害にあってしまったLance Michel White(ホワイト氏)は無実を訴えたものの、空港警察署にて5日間勾留。そして翌日4万ペソの保釈金を払い、釈放されました。ホワイト氏はパラワン島に教会を建てるためにニノイ・アキノ国際空港から出発する予定でした。
また10月25日に日本人観光客が長袖シャツの胸ポケットに銃弾2つ発見されて逮捕されたことや、足が不自由なフィリピン乗客の1人がX線検査で職員から「銃弾を荷物から発見した。これはパスポートの記録に残るだろうから、500ペソを払って無かった事にする」など脅迫じみた事を話し、その乗客が職員二人にそれぞれ500ペソ、300ペソ払い事無きを得たものの、それが後ほどおかしいと思った乗客がFacebookに経験談を公開すると瞬く間にシェアされました。
いずれにしてもニノイ・アキノ国際空港は空港内部のものではないと断言しています。
しかし、香港に向かう予定だった出稼ぎのフィリピン人乗客が同じような事件に遭遇し、その日のうちに逮捕されたものの、逮捕時に撮った銃弾とその後警察署での取り調べで証拠として出された銃弾が逮捕時のものと同じではなく、証拠不十分でつい最近釈放された出来事がありました。
その後の取り調べで空港で働く警察官の2名が犯行に及んだとして逮捕されています。
この事件があった後でも、立て続けに銃弾を手荷物に仕組まれたという乗客が出ており、世間では空港への怒りが奮発しています。また「ニノイ・アキノ国際空港は世界一最悪な空港ではない、銃弾を確実に発見できる最高な施設だ」とインターネットで揶揄されています。
インターネットでこれらに対策できるものとして、ポケットの多いバッグは使わない、ファスナーの無いハードスーツケースを使用する、チェックインを行う前に(空港で提供している)ビニールで包む、X線検査では目を離さないなどを行う必要があるとのことです。
セブ島の空港ではこの様なニュースは無いので比較的安全だとは思われますが、マニラに行くときは十分注意したほうが良さそうです。
これらの事件がさらに目立ってくると外国人観光客がフィリピンを敬遠するだけではなく、出稼ぎなどフィリピン人にも大きな影響を与えるので即急に対処して欲しいですよね。
今回の犯行は飛行機に銃器を持ち込み禁止の法律を悪用していますが、銃器所有許可書が無い場合など違法で弾や銃を持ち歩く場合は2年以上の懲役が課せられる場合があります。
(MIKIO)
Photos: Silly Jilly,carloxwang ,im.riley,Toby Simkin, /Sizemore/,William Hook,