フィリピンの人々も日本人のようにお酒が好きで週末などはお酒をを飲みに出かけたり、家で飲んだりします。フィリピンのお酒というとビールのサンミゲルやラム酒のタンドゥアイが有名でよく飲まれていますが、他に忘れてはいけないお酒があります。
それはココナッツから作られるワイン、通称トゥバです。
あまり都会では馴染みが無いですが、地方を中心に飲まれております。
作り方を紹介します。
トゥバを作るにはまずココナッツの木によじ登らなければなりません。これが慣れないと一苦労です。ほぼ直立のココナッツの木によじ登り、てっぺんまで行き、そこで作業をしなくてはいけません。もちろん命綱はありません。よく見てみるとフィリピンのココナッツの木には等間隔にくぼみが作られており、登りやすいようになっております。
そして、てっぺんに到着したら、ココナッツの花芽を縛った後にそれを切って、筒などに差し込みます。地元の人々はコーラのペットボトルなどを利用しています。差し込んだまま置いておくと、筒の中に樹液が溜まり、フィリピンの自然の中で発酵します。溜まって出来たものは白濁したモノで、甘い香りのジュースのようなものですが、それで終わりではありません。
そこに木のクズのようなもの、通称トンゴッグというものを入れてさらに発酵を促し、色付けをします。完成した物は綺麗なオレンジ色になります。アルコール度数は低く、できたたてのトゥバは甘くて飲みやすいです。しかし、時間が経つにつれ、独特なにおいと味がでてきます。
そのままストレートで飲むこともありますが、コーラと割って飲む事も多いです。地方に行けば、昼間からおつまみと共にトゥバを飲みながら盛り上がっている人々をよく目にします。彼らは快く迎え入れてくれるので、混ざってトゥバで田舎の飲み会を楽しむのもいいでしょう。
田舎では特に娯楽がありませんが、近所の人や友人が集まってお酒を飲んでご飯を食べて会話をするのが楽しみといえるでしょう。
また、トゥバを更に蒸留させたランバノッグというアルコール度数の高いお酒もありますが、セブ周辺ではあまり一般的ではありません。さらに通常のトゥバを長期に保存したものをバハリーナと言います。酸味がきいており、コーラと混ぜるとスパークリングワインのような味わいになります。
尚、トゥバは常温で普通に置いておくと数日でお酢になってしまいます。お酢になったものは飲みませんが、料理に使われます。
アルコール度数は低く、健康に良いと言われているトゥバ。私もトゥバを飲むとフィリピンに来たなぁと実感します。ビールなどに比べると半分くらいの値段なので田舎の人々はもっぱらトゥバを飲みます。
ちなみに、フィリピン流のお酒の飲み方はグラスは一つ、それを使って一人ずつ順番に飲んでいくのがフィリピン流です。フィリピンの人々はお酒自体が好きというよりも、友人たちとにぎやかな場所に行き、会話を楽しむようなお酒の場が好きな人が多いようです。
皆さんも機会があれば、フィリピン流の飲み会に参加してみましょう。
(ヤス)