セブの言葉セブアノを通してココナッツからフィリピンの文化を学ぼう | フィリピン最新情報ブログ

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セブの言葉セブアノを通してココナッツからフィリピンの文化を学ぼう

「言葉」とは、それが使われているコミュニティーの文化の象徴とも言えるもので、文化と共に発展・変化していきます。フィリピンには多くの民族が存在しており、それぞれが独自の言語を持っています。

セブで使われている言語はセブアノ語もしくはビサヤ語と呼ばれ、近隣の島でも使われている比較的話者数が多い言語です。

言葉は文化を現していますが、例えばビサヤ語ではココナッツに関する表現が多様で、いかにココナッツがフィリピンの生活に密着したもので、昔からさまざまなことに使用していたことが分かります。

ココナッツに関する言葉をいくつか紹介したいと思います。

 



●BUTONG

BUTONG

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まずはスタンダードなもので、みなさんがよく目にするココナッツです。取れたてでまだ実は若く、緑色をしています。外の皮は比較的やわらかく、中のジュースもたっぷり入っているのでジュースを飲む場合はこの状態のココナッツを利用します。街角やレストランででてくるのは常にこれです。

 

●BUTAY

BUTAY

 

実がなるねじれた茎のようなものをbutayと言います。butayはその変った形状から家の装飾や芸術のアートなどに使われることもあります。クリスマスの時期にはクリスマスツリーの飾りにしたりもします。

 

●LUKAY, PALWA, LANGKAY,TUKOG,MAGLULUBI

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ココヤシの葉っぱの事をlukay、葉の中心をなす骨組みをtukog、茎をpalwaと呼びます。また、この葉を切り落とし完全に乾燥させたものをlangkayと名前が付いています。さらに、ココナッツを育てる人をmaglulubiと言います。

ココナッツの葉は昔から家や家具、洋服などの材料に利用されています。

 

●BAGOL

BAGOL

 

皮をはぎとり殻だけになったものをbagolと言います。この写真ではすでに真っ二つに割られていますが、通常は割られていない状態を指します。中の実やジュースを料理に使用したりする際はこの状態にします。特に、ココナッツミルクを作る際はジュースを取り出し、中身を得所な道具を使って削り取ります。

また、ココナッツの殻は加工され、お土産などにも使われます。

 

●BUNUT

BUNUT

 

皮ごと乾燥して、茶色になったココナッツをBUNUTと言います。ココナッツの皮は繊維が多く、乾燥させたものは大変燃えやすいので田舎を中心に燃料として重宝されています。このように簡易的に外で料理したりするときにも使います。

 

●LANPASO

LANPASO

 

茶色くなるまで乾燥させたものを半分に切ったものをLANPASOと言い、掃除道具として使われています。これは特に田舎で見られますが、繊維がでている面を床に置いてココナッツを足で踏んで床を磨きます。

 

●LANDAHAN

LANDAHAN

 

こちらも田舎で見かける光景ですが、農家から集められたココナッツを乾燥させる工場のようなものをLANDAHANと呼びます。ココナッツオイルを作るために乾燥させます。オイルは料理や、美容、せっけんなどに使われます。

 

 

・KOPRAS

KOPRAS

 

ココナッツの殻を細かくして、日中外に置いて太陽光で乾燥させたものをKOPRASと呼びます。KOPRASはココナッツオイルを作るための工程です。

 

 

・KALUBIHAN

KALUBIHAN

 

ココナッツのプランテーションの事をKALUBIHANと呼びます。地方には中規模のプランテーションが多く、収穫時期ともなると地主が村人を雇い、一斉に収穫します。ココナッツがきれいに何列にも並んでいる光景は圧巻です。ただ、ココナッツプランテーションを歩くときはなるべく木から離れて歩きましょう。稀にココナッツが落ちてくる時があります。

 

・TUBA 、LINA、BAHAL

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ココナッツの樹液から作られる地酒をTUBAと言います。写真のようにジュースのペットボトルに樹液を貯め、発酵させます。中でも取れたてのものはLINAと呼ばれ、ジュースのように甘いです。逆に、うまく熟成させ、発酵が進み酸味が増したものをBAHALと言います。これらは地方の人々の嗜好品となります。

 

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TUBAは濁ったオレンジ色をしており、独特の風味があります。ストレートで飲んだり、コーラと併せて飲みます。田舎の暮らしには欠かせません。

 

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ココナッツの実は様々なものに加工され、日本でも有名なナタデココや料理に使うココナッツミルクが出来ます。ココナッツミルクは現地でも料理に使われており、GATAと呼ばれます。

 

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ココナッツミルクを作る際はまず、殻の中の白い実を削りとる必要があります。その作業には専用の道具を使います。簡易な木の椅子の先に丸いノコギリのようなものが付いており、殻を動かしながら削ります。

 

・SAPAL

SAPAL

 

削りとった実をさらに絞りだした液体をココナッツミルク(GATA)と呼び、その絞り取ったかすをSAPALと言います。SAPALは主に豚や鶏などの家畜のえさになります。

 

・PUTOT

PUTOT

 

PUTOT とはまだ芽生えたばかりのココナッツの事を指します。このように台風などの影響で時々地面に落ちています。

 

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写真のようなココナッツを使った薬もあります。現代でも、フィリピンでは病院や医者だけでなく、民間療法や薬餌療法も浸透しています。この薬はかぜをひいたときにお湯に溶かして飲むと効くと言われています。

 

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自然に落ちて、乾燥した実からは時間が経つと新しい芽がでてきます。 人の手を借りることなく、おのずと海岸に根を下ろし、大きなココナッツの木となります。

 

このようにココナッツには部分によって細かく名前が付いており、成長の段階や加工の段階のでもその時の名前があります。これはつまり、昔からココナッツは人々の生活に密接な関係があり、ココナッツのさまざまな部分や状態によって使われ方も異なるということです。ココナッツと共存した生活を送りながら、さまざまな使い方をするように、それに伴うように言葉が生まれたのでしょう。

紹介したものはほんの一部で、まだまだココナッツに関わる言葉は数多くあります。

ビサヤ語のココナッツに関する表現の豊富さを学んだことは、さらにフィリピンに対して興味を持つようになるきっかけになりました。

ローカルな部分に目を向けてみると、フィリピンの新たな魅力を発見できるかもしれません。

 

 

(ヤス)

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