娯楽の一つである映画、皆さんはどのような映画が好きですか?
日本ではシンゴジラや君の名はなどが大ヒットですよね。ハリウッドでも今年は数多くの映画が登場しており、まだまだいっぱい出てくる話題の作品は目を離せません。しかし、メインストリーム映画だけではなく、インディペンデント映画も面白い作品を作り出しています。
フィリピンの映画産業の9割以上はマニラになっていますが、セブ島でも国内で話題になったり、世界の映画祭で賞を獲得したインディペンデント映画が多くあります。短編や長編も含めてエキサイトセブで何回か紹介してきました。
これまでは大学構内であったり、期間限定で作品を観る事しかが出来なかったのですが、今回新たにBINISAYA映画祭が2016年9月17日から24日にかけてSMシーサイドモールなどで開催されることが決定しました。
ハリウッドなどといった話題の映画も良いけれど、大手ではない独立系の製作会社や個人出資によるインディペンデント映画もまた違った面白さがあって好きな方もいるのではないでしょうか?
フィリピンの映画産業というと、TV局系列のスタジオが多くのヒット作を生み出しており、その他では独立系の製作会社が毎年長編映画を制作しています。そして制作のほとんどはマニラで行われているので、映画やコマーシャル制作などはマニラのイメージが強くなっています。
なぜマニラのイメージが強いかというと、映画製作者のほとんどはセブ島を含むビサヤ諸島やミンダナオ島にはマーケットがないと考えているため。しかし、最近ではビサヤ諸島とミンダナオ島の人口や映画を観る人が多くなってきたことで、その考え方も少しずつ変わってきています。
セブ島でもマニラ程の規模ではないものの、数多くの映画製作者がおり、セブ島出身で国際映画祭等で有名になった監督やプロデューサーがいます。エキサイトセブでも何回か「[セブからの映画] 留学学校の先生が生徒に恋をするラブコメ短編映画、”Saranghae My Tutor”が期間限定で公開中!」や「セブからの映画もレベル高いものばかり?シヌログショートフィルムフェスティバルでセブからの映画を見てみよう!」で紹介してきましたよね。
残念な事にこれらの作品はマニラで開催される映画祭またはセブ島で上映が決定された時しか観ることが出来ず、これまでにセブ島の映画を上映する映画祭というのはあまりありませんでした。
しかし2016年の9月17日から24日までにかけて、SMシーサイドモール、ロビンソンガレリア、セブノーマル大学、サンカルロス大学、サンホセ・レコレトス大学でセブ島で制作された長編映画や短編映画を上映するBINISAYA(ビニサヤ映画祭)が開催される事になりました。
今回はBINISAYA映画祭を主催する団体の一つ、Motion Picture Society of Cebu(セブ島映像協会)の創業者の一人であるジャニス・ペレス氏にインタビューすることが出来たので、映画祭について色々聞いてみました!
1. 映画祭について教えて下さい
BINISAYA映画祭は創業者であるKeith Deligero氏によって2009年に初めてスタートしました。
彼自身映画監督と言うこともあり、アート色の強い彼の作品やセブ島で制作された映画を紹介する場になっていたのですが、それまでは大学構内やレストランが会場になっており、アクセスがしにくい事や大学のイベントとして考えいる事も多く、一般の方には中々行きづらいと感じる映画祭でした。
しかし今回は今までよりもフォーマルなイベントにしようと考え、マクタン島に拠点を置く不動産会社のGOLDMINE Residenceが協力していただいたことで、今まで以上に大きなイベントにすることが出来ました。
BINISAYA映画祭は9月17日から24日の1週間を掛けてセブ島で制作された長編映画2本、12-16本ほどの短編映画、そしてスリランカ、タイなどの東南アジアから出品された6本の短編作品も上映されます。
2.なぜ、今回の映画祭は規模を大きくしようとしたのですか?
先程も少し話したように、フォーマルなイベントにしようと考えたからです。というのも、今まで開催された映画祭は規模が小さかったので、インディペンデント映画というと「アートだからタダで見れるもの」のイメージが多かったのです。
そのイメージを一掃させて、「アートにも価値がある」と思わせるようにモールなどで上映を行うことを考えました。
今回のBINISAYA映画祭に協力を頂いたGOLDMINE Residenceのチーフマーケティングマネージャーさんは不動産の他にも家具をデザインしていることから、映画の他にもセブ島で拠点を置く絵師、ファッションデザイナーなどにも自分の作品を紹介できるイベントとしてMugna Bisaya(ムグナ・ビサヤ)が同時に行われます。
ムグナ・ビサヤは今年が初めてですが、これから毎年開催していこうとチーフマーケティングマネージャーのサンシャイン氏は語っていましたね。
3. セブ島にある他の映画祭とはどう違うのですが?
BINISAYA映画祭はセブ島初の映画祭ではありません。しかし、今までにないセブ島の映画を多く上映している映画祭だと私は考えています。
シヌログ映画祭やドキュメンタリー映画祭などセブ島で開催される映画祭はいっぱいありますが、どちらかと言うと一つのテーマに沿った映画祭であったり海外の作品を上映するイメージが強く、セブ島で制作されていた映画はあまり公開されていませんでした。
BINISAYA映画祭はセブ島で制作された映画を中心に上映し、セブ島の映画をもっともっと知って欲しいと考えています。
4. この映画祭を主催して将来的なビジョンはありますか?
フィリピンの映画産業はというとやはりマニラが中心になっています。セブ島はそんなマニラに比べて安く予算を抑えて映画を作れるというのにね!
映画製作にかぎらず、セブ島は食べ物や物価が安いです。こらは地理や文化的などの理由があると思いますが、全てが「安い=質が悪い」という訳ではありません。
一度シンガポールの制作チームがマニラで映画を制作することを考えていたのですが、最終的にセブ島を選ぶことになりました。その理由はマニラで見つけられないようなロケーションがあったり、ロケーション同士が近くてアクセスがしやすかったこと、そして何よりも人件費が安い事に制作チームはセブ島での制作を大変満足していました。
映画にセブ島を登場させれば、撮影中はホテルやレストランなどの売上も上がるだけではなく、映画がヒットすればロケーションに訪れたいと思う一般の方々も出てくるので、セブ島で撮影することで色々な経済効果が見込める可能性があるのです。
セブ島を一つのロケーションないし、物語の舞台としてもっともっとフィリピン国内や国外の制作クルーに利用して欲しいと考えています。BINISAYA映画祭や私達が所属しているセブ島映像協会ではセブ島での撮影を協力し、同時に知名度を上げていきたいと考えています。
5. 読者の皆様にメッセージがあれば教えてください
セブ島で制作された映画を見れる機会はなかなか無いと思いますので、ぜひこのBINISAYA映画祭をチェックしてみてフィリピンやセブ島の映画文化に触れてみてはいかがですか?
日本とはまた違った感じの映画だと感じることが出来ると思います。ぜひチェックしてみてくださいね!
スケジュールはFacebookページで確認することが出来ます。また短編映画や長編映画によって入場料が変わっており、短編が100ペソ(約216円)、長編が200ペソ(約432円)になります。
言語のほとんどはビサヤ語になりますが、英語字幕が付いているので楽しめると思いますよ!
(MIKIO)