フィリピンはキリスト教の国といっても過言ではなく、多くの人々は信仰心が篤いクリスチャンです。頻繁に教会へ行き、ミサに参加し、お祈りをします。
先日、そんなフィリピンの人々の篤い信仰心を象徴するような不思議な出来事がマクタン島のとある海岸で起こりました。
1月29日、1人の少年がサントニーニョの人形を海岸の砂浜で見つけました。サントニーニョとは幼いキリストで、特にセブではサントニーニョ信仰が盛んです。
その人形は50センチほどの大きさで、一般的にどこにでもあるようなごくごく普通のものでした。少年が拾い上げるとその人形はまるで生きているかのようにやわらかく、そして瞬きをしたそうです。
それを見た少年は驚きのあまり人形を投げ捨ててしまいました。すると、そのサントニーニョ人形は「なぜ私を投げ捨てるのか」と口を聞いたそうです。
この話は瞬く間に人々の間に広まり、奇跡が起きた・神のご加護だという事で大勢の人が一目見ようと拾い上げた少年の家に集まりました。地元メディアも取材に来るなど、大騒ぎとなりました。その騒ぎは収まることもなく、現在でも多くの人がお祈りをしようと列をなしています。
偶然なことにサントニーニョの人形を拾った少年はサントニーニョと同じ、パーマヘアーでした。
もちろん、地元の人々の中にも懐疑的な人はいますし、外国人やクリスチャンでない人はにわかに信じがたい話ですが、地元の人々は本当に奇跡と感じているようです。
この話でサントニーニョの像が本当に話したかどうかは重要な事ではなく、その不思議な話を聞きつけて多くの人が集まり、お祈りをして、どこか不思議な気持ちを感じているという事実が重要なのだと思います。
宗教とは「信じる」ことで、つまり、その人形から何かを感じ、気持ちが安らいだりするのであれば大変価値のあるものだと思います。
とにかく、あらためてフィリピンの人々の信仰心の深さを実感した出来事でした。
おそらく今後もその人形は少年の家に安置され、多くの人が御祈りに訪れるでしょう。
(ヤス)