パソコンやインターネットの価格が下がってきたことにより、数年間のうちに世界中のインターネットユーザーが増えてきました。
FacebookやInstagram、Twitterなどといったソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及もあり、それまでインターネットに馴染みのなかった人たちまで、好きなときに好きなものを投稿、共有出来るようになってきています。
安く利用できていてインターネットの普及率は上がっているものの、まだ世界人口の3分の2はインターネットがある環境にないと言われています。世界中にいるまだインターネットに繋げられない人たちを出来るだけ繋げようとするプロジェクトはGoogleをはじめ、色々な企業がその取り組みに参加しています。
Facebookもその一つで、Facebookは「残りの50億人」をインターネットに繋げるプロジェクト、Internet.orgを2013年に立ち上げました。アフリカを中心にスタートしていたプロジェクトですが、2015年の3月18日にフィリピンでもスタートしたのです!
メールやニュースのチェック、写真の共有などで簡単に欲しい情報探せたり、世界中にいる友人たちと簡単にコミュニケーションが出来るインターネットが登場したのは1988年頃。そしてパソコンや携帯電話の普及、そして利用料金が更に手頃な価格になってきていることから、年々インターネット利用者が上昇しています。
しかし、スマートフォンやパソコンなどを持っているのにも関わらず、インフラ、料金など何らかの理由でインターネットに接続できない人たちも多く、世界人口の3分の2は未だにインターネットに繋げられないと言われています。
これらの問題を解決するために、Googleは気球を使ってインターネットを普及させるProject Loon(プロジェクトルーン)をスタート。Facebookもこれの取り組みとしてその国のIT企業やキャリア、非営利団体などとパートナーを組み、皆がインターネットに接続できるInternet.orgを立ち上げました。
Internet.orgは2013年にスタートし、2014年にはザンビア、タンザニア、ケニア、2015年にはコロンビア、ガーナとアフリカ中心にサポート。そして2015年の2月にはインド、そして3月18日にはキャリアの一つであるSmart Communications(スマートコミュニケーションズ)と協力し、フィリピンでのサポートもスタートしました。
Facebookが取り組んでいるInternet.orgはFacebookなどといった特定のインターネットサービス、またはウェブサイトをパケット通信無料で利用できるということ。
フィリピンではSmart Communications社がパートナーを組んでいるので、Smart社のSIMまたは子会社であるSun CellularのSIMを利用することでサポートしているウェブサイトであればモバイルデータ通信の料金が一切掛かりません。
試しに、Smart社のSIMを挿入したiPhoneでinternet.orgに接続してみると、このような同意画面が出てくるので、「Continue」をクリックして、サービスに同意します。
すると、無料サービス(Free Services)と書いてある23サイト表示されるので、これらのウェブサイトはモバイルデータ通信料が無料になっています。クリックしてみると、「internet.org」のドメインがアドレス部分に表示されるので、このサイト経由で利用する必要があります。
フィリピンでサポートしているウェブサイトはFacebookの他、ESPN、philSTAR、Inquireなどといったニュースサイト、ウェブマガジンであるRappler、求人サイト、辞書サイト、ヘルスケアサイトなど色々なジャンルのウェブサイトがありました。
試しにFacebookを開いてみると、このような感じ。
通常のモバイルサイトよりシンプルなものになっていて、画像などはぼかしが入れられています。
画像などはパケットが掛かるので、無料では利用できない様です。でもフィードを見たり、メッセージを送ったり、基本的な利用に関してはあまり問題はありませんでした。
Bingの検索サイトもあったので、「アップル」を検索してみました。
検索結果の画面までは表示されますが、リンクをクリックしようとすると「Standard Data Charges(通常パケット料金)」と表示されました。
これはアップルのサイトががInternet.orgに対応していないためなのですが、注意書きが出てくるので、とても親切だと思いました。
Facebookの基本的な操作や、検索、ニュースを見るなどといった作業は無料で行えるというのはとても良いと思えました。サポートされていないウェブサイトを見るには通常のパケット代がかかってしまいますが、検索部分だけでも無料で使えるので結構メリットはあると考えられます。
インターネットがなかなか利用できないフィリピン人に朗報のサービスですが、観光や留学で来ている日本人もSIMフリーのスマートフォンとSmart社またはSun社のプリペイドSIMを使えば、Facebookなどのサービスを通信無料で利用できるので、オススメだと思いますよ!
Internet.orgで利用できるウェブサイトがさらに増えていくと良いですよね!
(MIKIO)
Photos: Johan Larsson,Ed Yourdon