バディアン島をご存知ですか?この島はセブ市内から約3時間半程かけて向かう南方、西海岸にある島です。周辺には美しい海や自然が広がり、市内とは全く異なる雰囲気を見せます。まさに手付かず、セブ本来の魅力が詰まったバディアン島にある「バディアンウェルネスリゾート」に今回は訪れ、オーナー様などからお話を伺ってきました。
セブ島観光で最も美しいビーチが見られる場所は何処でしょうか?一口に「海」と言っても本当に様々な色がありますから、太陽の光や水深、周りの雰囲気など総合的にどこが美しい!といえないものの、特に美しいのはマクタン島のプライベートビーチ、スミロン島、マラパスクワ島、バンタヤン島などが挙げられるかと思います。
そんな中で他の場所とは雰囲気が異なるのが今回ご紹介するバディアン島です。島内にはリゾートホテルが1軒のみとなっており、広大な敷地内には様々な施しが行われています。まさに「癒しの楽園」、ホテル名にも「Wellness(ウェルネス)」という言葉が組み込まれるほど健康に配慮したこの場所を今回は詳しくご紹介します。
まずバディアンの場所ですが、セブ市内から約3時間半かかります。地図の上にざっくりと矢印で示しましたが、もちろん道のりの中には山道などもあります。世界有数のダイビングスポットとして有名なモアルボアルの少し先、カワサンフォールの少し前、といった場所にバディアンはあります。
バディアンはセブ島に隣接している離島です。ですのでリゾートに向かう際には船に乗る必要があります。モアルボアルから12キロ程車で走るとこの桟橋に到着するのですが、バディアンウェルネスリゾートに宿泊される方のために、写真右側のような小型の船が到着しており、スムーズに現地に向かうことができるようになっています。ホテルに到着するために渡し船に乗るなんて、なかなかない体験ですよね!
渡し船に乗って約5分ほどでいよいよバディアンに到着します!島の桟橋では沢山のスタッフの方が「ウェルカムソング」を歌って宿泊するお客様を出迎えます。このようなサービスはマクタン島のリゾートには見られないもので、1島リゾートならではのものであると感じます。その様子を実際に撮影してきましたのでムービーも御覧ください。ゆっくりと時間が流れている雰囲気を感じていただくことができるかと思います。
到着する桟橋はリゾートのビーチエリアに直結しています。ロビーまでに向かう道のりで、既にこんなにきれいな景色を望むことができます。自然との調和が図られた素晴らしい場所ですね。
ビーチの奥に進んでいくと何処からたどり着いたのか、大きな流木が海岸に立っていました。対岸のセブ島の山から吹き付ける海風と海水に何度も揉まれ、人の手では造り出せないような形で立っているのが印象的でした。
今回到着した際にはホテルのスタッフの方がウェルカムタオルを持って出迎えてくださいました。ホテルのユニフォームも気取らないナチュラルな色を多く使っており、マクタン島リゾートののはっきりした色合いとは少し異なるような気がします。
ロビーからはブーゲンビリアの大きな木が色合いを添えていました。バディアンウェルネスリゾートの敷地内には本当に沢山の植物が植えられていて、太陽の下、草木に囲まれて深呼吸したい気分になります。
抜けるような空とブーゲンビリアの色が映えるレストランへの道。この風景を見るだけでもバディアンに来てよかったと思わせてくれますよね。自然との共存を大切にしたコンセプトのリゾートだからこそ、素朴で美しい風景が作り出せるのかもしれませんね。
バディアンウェルネスリゾートで提供されている料理のほとんどは「オーガニック(無添加・無農薬食品)」です。海の幸はもちろんのこと、敷地内には1,000㎡のオーガニックファームを有しており、この中では沢山の野菜や鳥などが育てられています。バディアンは島自体に自然が豊富で土壌の栄養価も高いほか、昔ながらの堆肥を利用した栽培が行われているため、体にも安心な食事を摂ることができるのです。
筆者が今回特筆したいのは、オーガニック食材を使った食事の完成度です。どうしてもオーガニックの食材は素朴なものになるため、デザインや色合いが一般の食事と比べて劣る傾向にありますが、バディアンで提供されている食事はデザインにも優れ、非常によく考案されていると感じました。
これらの食事は3食摂ることができ、滞在中に精神的にも、体内も、体を全体で癒やすことができるのです。特に日本では無農薬食品などが女性を中心に注目されているかと思いますので、南国リゾートで内側から体を美しくするのも良いと思いますよ!
次にご紹介するのはホテル内のスパです。高台の海の見える場所に建てられているこのスパは、オーシャンビューと海風の中でまさに「無」になる時間を過ごせるとっておきの場所です。滞在される方の多くがこの施設を利用し、贅沢な時間を過ごされているとのことです。
施術内容にも定評があるとのことですが、海方面から注ぐ光とフラワーバスが南国の雰囲気を最大限に表現していました。湯船は足を伸ばしてもゆったりと入れるサイズ。もちろん自然との調和を大切にするバディアンだからこそ、施術室の周りには植物が取り囲むように生育しており、目にも鮮やかな緑・赤・白・青などのそれぞれの自然の色が調和しています。
スパを抜けると、白のブーゲンビリアのアーチが出迎えてくれます。誘わるように階段を下って行く事になります。まさに咲き乱れるといった表現がふさわしいアーチの色と、先に見えるセブの海の美しさを是非御覧ください。半袖半ズボンでも歩けば少し暑いほどの気温の中で、日本の日常とはかけ離れた世界に身をおく体験はきっと思い出に残ると思いますよ!
そこにはなんと滝のある3段プールとジャグジーベッド!
この水は海水を濾過し使っているとのことで体の傷が癒やされる他、海水のため淡水よりも体を楽に浮かすことができることから、安全なプールの中で海の良さを楽しむことができそうです。
さて、バディアン自慢のオーガニック食材についてもう少し詳しくご紹介したいと思います。敷地内にはこのようなポップな看板が各所に立てられています。オーガニックファームはどんな雰囲気なのでしょうか?
筆者が想像していたよりもはるかに野菜の種類が多いこのオーガニックファームでは、グリーンテントで覆われて虫の被害を農薬なしで最小限に留めている葉物野菜やハーブなどの繊細な野菜の数々が育てられています。毎日のお客様に提供しているとのことですから、それなりの量が必要になりますよね。
またテントの外ではウリ科の植物が特に多く見られ、ゴーヤなどの炒めものやサラダに適した植物が大きく実をつけていました。その中でも特に目を引くのはトマトの鮮やかな色です。セブの強い日差しの中で元気に育っていたのはチェリートマトと言われる種類だそうで、ミニトマトと普通のトマトの中間ほどの大きさ。甘みがありとても美味しいですよ!
続いては客室のご紹介です。バディアンウェルネスリゾートは「プールヴィラ」「バディアンスイート」「ジュニアスイート」「ファミリースイート」 の4つのカテゴリーを有しており、どれも広く清潔で贅沢な作りとなっています。一番小さいカテゴリーでも65㎡もあるとのことで、天井が高いのもと特徴的。開放感を感じる造りとなっています。
客室の最初のセットアップでは湯船に敷き詰められたブーゲンビリアの量に驚かされます。水面が見えないほどのブーゲンビリアに囲まれて、自分だけの時間をゆったりと過ごしてみてください。
部屋によってはバルコニーにハンモックが設置されています。ここで過ごすなら海沿いの部屋の場合は日の出・日の入りの時間が最もオススメ。刻々と変わっていく周囲の色にも圧倒されます。
最高級カテゴリーの「プールヴィラ」にはなんと、部屋にプライベート海水プールがついています!水深1メートルの泳ぐのにも十分なプールの中には、貝を模した椅子も設置されている他、バルコニーのボタンを押せば下の写真右奥のように海水が流れ出します。なんとも贅沢な設備!ホテルの担当者の方が「ハネムーナーが特に多い」とう理由も頷けますね。
公共のエリアではアバカ製のしっかりした椅子が設置されている場所もあります。ここはロビーにほど近いビーチ沿いの場所で、開放感のある屋外でお酒を楽しむことができます。奥の屋根の下にはバーカウンターがあり、夕日の時間頃からポツポツと人が集まって、旅の話にも花が咲きます。
ディナーのテーブル上に飾る花を準備していたホテルのスタッフの方。でもこの方が最も好きなのは、小さな別の花だとのこと。周囲を探してご覧と言われ見つけたのはこの花でした。海岸に沢山咲いていますので、訪れた時には簡単に見つけることができますよ!花の大きさは親指と人差し指で丸を作ったほどの小さなものです。
もちろん空いた時間で様々なアクティビティーを行うことができます。定番のビリヤードやダーツはマングローブの生育するエリアの海の上で行うことができる他、ウィンドサーフィンなどにもぜひ挑戦してみてください。
今回最も美しいと感じた景色はバディアンから見た夕日です。上の写真、奥に小さく見えるのはまるでボホール島のチョコレートヒルズのような摩訶不思議な丘陵の数々。数百の丘の上に被るように雲がかかります。
砂浜が真っ白なバディアンは、空気がきれいなことも合いまってセブ島よりも美しい夕日を見ることができます。またセブやマクタンと異なるのは夕日の方向で、バディアンでは海に日が沈んでいく様子を見ることができるのに対してマクタン島、セブ・シティーの場合夕日は山の方に沈みます。このため、海に沈む夕日をリゾートからダイナミックに見ることができるバディアンは他にない自然のメリットを持っていると言えます。
今回はセブ市内から離れて自然に囲まれた「バディアンウェルネスリゾート」を今回はご紹介しましたが、どうしても距離が少しあるため、もし現地に訪れたい場合には現地の旅行会社などに問い合わせるといいかもしれません!
またこのような知られざるリゾートを訪れることがあればご紹介します!
(Taku)