いくつかの台風もなくなり、最近は台風一過のような快晴が続いているセブ島です。しかし、東南アジアの象徴のひとつでもあるスコールが降る事は今の時期は珍しくありません。スコールと言っても、数分から数十分の雨の後、雲がなくなりカラッと何事もなかったように晴れるなんていうこともよくあります。
そもそもスコールというものは日本でもたまにありますが、あまり頻繁に起こるものではないかと思います。しかし、ここセブ島を含めた東南アジアの広い地域では、特に雨季の時期に多く発生します。現地の人たちは、何年も何十年のこの気候の中で生きてきただけあって、急な大量の雨にもあまり慌てることなく、さっと木陰や屋根の下に移り、雨が弱くなるのも待っています。
さてここで、今回ご紹介したいのがジプニーの雨の対処法です。
みなさん、セブ島に旅行やお仕事などでセブ島にいらした方はジプニーを必ずと言っていい程見かけたと思います。
約20人程が乗車出来て、雰囲気としては日本のバスに近いものですが、そのいでたちはなかなか興味深いものですね。このジプニー、窓が大きく空いており、常夏の風を感じながら乗ることができます。常夏の風を感じるという表現は観光客向けであり、年中夏で暖かく、そして多くの人が乗り、人と人との感覚がすごく狭いこのジプニーの車内の窓が開いていなかったら、暑いどころの騒ぎではありません。
ですから通気性を良くさせるために、全てのジプニーはこの窓全開のスタイルです。
しかしながら、先程もご紹介した通り、ここはセブ島、東南アジア。突然のスコールの際に、こんなに大きく窓が開いていたら、ものの数分でビショ濡れになってしまいます。
そこで登場するのが、ジプニーのレインコートのようなこのシート。
ババっと雨が降り出すと、たくさんのジプニーが路肩に車を止めて、ササッとこのシートを降ろします。よく見てください、窓の縁の上の部分に、小さく巻かれたシートが見えますでしょうか。
これは、急な雨の際の窓代わりとなるんですね。そして、天気が良くなり雲が薄れ、もう当分は降らないだろうと判断すると、今度はこのシートをクルクル巻いて、また窓を全開にするのです。
とてもシンプルではありますが、その光景がなんとも微笑ましく思えるのはなぜでしょうか。こうして、突然のスコールにも見事に対応して、街の多くの市民の足として活躍しているジプニー。機会があれば、雨の時にジプニーに乗って、この光景を中から見るのもおもしろいかもしれません。
ローカルの人は至って普通ですが、外国から来た筆者からすると、方法自体はシンプルではあるものの、そうやってやるのか、知らなかったな、と感じることが他にも多々ありますので、そういったこともこれからご紹介できればと思っています。
(issei)