デング熱は蚊から感染する発熱、頭痛や筋肉痛などの症状が出て、フィリピンを含む東南アジアを中心に見られる病気でもあります。
日本では海外で感染して発症する輸入症例が毎年100例前後あるそうですが、2014年8月に厚生労働省が国内でのデング熱患者を確認し、合計160人もの感染者が出たというニュースになっていた事を覚えている方も多いかと思います。
病院でちゃんとした治療を行えば病気を治すことができます・しかし、全症例の5%未満ではあるものの、循環性ショックやデング出血熱が起きたり、2度目の感染で症状の悪化が起こりえます。
フィリピンでは毎年のようにデング熱による感染者が出ており、感染者の人数などをフィリピン保健庁(Department of Health)が発表しているのですが、2015年の感染者は昨年の23.5%多い10万人以上の感染者が予想されると発表されています。
フィリピンに仕事や留学などに行ってデング熱に掛かってしまった方もいるのではないでしょうか。運良く掛かってなくても、フィリピンでは10人に2人が感染してしまう病気のため、注意が必要です。
蚊による感染なので、雨季であるこの時期に多く発症しやすくなります。デング熱に発症するとインフルエンザのような発熱や頭痛、筋肉痛そしてはしかに似たような皮膚発疹が起こります。
実用化されているワクチンは未だにできていませんが、症状を軽減する支持療法が行われることで治すことができます。非常に稀ではあるもののデングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こす場合もあるので、デング熱に掛かった場合は早急に病院で治療を受ける必要があります。
一年中夏であるフィリピン、雨が良く降る雨季そして下水などのインフラが整っていない3つの要素が集まったことでフィリピンでは毎年デングに感染する患者がいるのですが、2015年の今年は特に感染者が多く昨年の23.5%増、10万人に達するのではないかとの予想がされています。
デング熱による感染者数を発表しているフィリピン保健庁(Department of Health=DOH)によると8月の発表の時点で今年の1月から8月までの感染者が50,462人。そして10月7日に発表された時には78,808人の感染者が確認され、2ヶ月で約3万人近く感染していることに。
地域別に見てみるとカビテ州、ラグナ州、バタンガス州、リザル州、ケソン州を含むリージョンIV-A(Region IV-A)が11,894人、ルソン州が11,806人、マニラ8,099人、イロコスエリア6,501人、ミンダナオエリア5,795人が一番多く、他の州でも多く感染者が確認されています。
そのうち死者は現時点で233人。昨年の死者数と比べると低くなっているそうです。 この影響もあり入院が難しい病院も多く、カビテ州で発症した3歳の息子をマニラのサンラザロまで連れて行っているとその母親がCNNフィリピン話しています。
これを受けてフィリピンの科学技術庁(Department of Science and Technology=DOST)ではデング熱のエリア別感染アラートマップを公開しています。
これほどの感染が広がっているフィリピンですが、デング熱への予防が不可欠。一番簡単な方法は薬局などで市販されているオフローション(Off-lotion)を塗ったり、水たまりなどの多いところは近寄らないなどの予防を行なうこと。
カビテ州などフィリピン北部での感染が多くセブ島はまだマシな方ですが、デング熱のアラートマップではマンダウエ市などで感染が確認されているので、注意するようにしましょう。
デング熱にかからないのが一番ですが、万が一感染した場合はすぐに病院に行って治療を受けるようにしましょうね!
(MIKIO)
Source: Philstar (1,2,) CNN Philippines, Wikipedia
Photos: ohan J.Ingles-Le Nobel,AJC ajcann.wordpress.com,anofi Pasteur,Sanofi Pasteur,John Tann