サン・アングスティン教会はマニラの市内観光なら必ず訪れてほしい世界遺産です。しかし、世界遺産でありながら「教会は特に刺激的な内容がないだろうから、観光から外す」という方も少なくないようです。細部まで見てみることで、世界遺産ならではの価値を感じることができます。
マニラのサン・アングスティン教会は世界遺産として知られている貴重な教会・建造物です。この教会はイントラムロスというエリアにあり、マニラの市内観光では最も有名で、定番のスポットになっています。そんな場所にも関わらず、周囲に沢山の教会があるためか、際立った印象を今ひとつ示すことができていません。
サン・アングスティン教会は大きく2つ、礼拝堂と博物館のエリアに分かれています。現地の方々にとって大切なのは礼拝堂で、冠婚葬祭を行う場所であると共に、地域の象徴として大切に保存されています。一方観光で訪れる方には礼拝堂の美しさも然ることながら、歴史を学ぶことができる博物館の見学がおすすめです。
博物館の建造物自体もその歴史は古く、展示品を眺めるだけではなく建造物自体の価値を感じる楽しみ方もあります。雰囲気のある建造物が好きな方には、サン・アングスティン教会は他の東南アジアにはなかなか存在しないスペイン様式であるため見どころが多いと思います。1時間ほど博物館の中にいると、フィリピンの雰囲気をすっかり忘れてしまうほどです。
装飾品の数々を見ていくと、一つ一つが強く主張することなく調和していることがとても印象的に感じられます。上の写真の扉は、教会の礼拝堂側から博物館に繋がっているもの。繊細なデザインが目を惹きます。下のシャンデリアは礼拝堂の天井から下がっているもので、実はこれ、フランスのパリから持ってこられた貴重な品だそうです。ただ教会を眺めるだけではなく、展示品の背景を知ることで観光の楽しさは更に深まっていくと思います。
サン・アングスティン教会にはきらびやかな装飾などほとんど存在せず、どちらかと言えば写真のような少し薄暗い、重厚な雰囲気がマッチする場所であると思います。派手さはありませんが、時間を忘れてゆっくりと内部を見学していく体験は、マニラの市内観光ではまさに醍醐味と言えるでしょう。マニラは大人の雰囲気漂う観光地が多いので、是非ゆっくりと時間を作って現地へ訪れてみて下さい。
(Taku)