セブ島やマクタン島には沢山のホテルがありますが、大型のホテルやモールに近い価格の高いホテル、マクタン島であれば高級リゾートホテルがどうしても注目されがちです。しかしながら2つの島の中には、小さなゲストハウスや予算を抑えたホテルが、有名なホテルの数倍の数で存在しているのです。今回はそんな中でも少し変わったホテルがセブ島内にあるということで、実際に見てきました。
今回ご紹介するのは「Europa Mansionette Inn」です。場所はマギカイというエリアにあり、マクタン島の空港からはタクシーで30分ほどのエリアです。
「Europa Mansionette Inn」はWEBサイトで事前に確認したところ、「ブティックホテル」と紹介されていました。日本ではこのブティックホテルという表現、実はラブホテルの隠語として使われることが多いのですが、実際の英語の意味は異なるいわゆる和製英語です。
ブティックホテルは上質なサービスや、内装にコンセプトを持ち、こだわりがあるホテルのことを指します。昨今日本では、これらのホテルのことを「デザイナーズホテル」などと表現するようですが、なんとこちらも和製英語。でもデザイナーズホテルホテルの方が意味が伝わる可能性があるかもしれませんね。
このブティックホテルのコンセプトは「18世紀」。家具の取り揃えや客室、塗装、設計に至るまで、このコンセプトで統一されているとのことです。
18世紀は歴史上、フランス革命やアメリカ独立革命が起こった時代です。またバッハ、モーツァルトなどの偉大な音楽家が生きた時代でもあり、特に欧州の歴史が変化していったことが注目されがちな時期と言えるかもしれません。このホテルも洋館の体裁をなし、フィリピン・セブ島とは思えない空気感が広がっています。
宿泊は基本的に朝食付きだそうです。今回は朝食会場を見せてもらったのですが、真ん中に大きく花が飾られていました。周りの壁や家具、花の色合いを見てもどこか少し古く、ヨーロッパの雰囲気を感じませんか?筆者は実際にここを訪れたので、360度この雰囲気に囲まれると本当に不思議な気分になりました。
屋外には小さな庭スペースがあり、こんなに大きな噴水がありました。こちらは稼働しており、受け皿になっている下の部分には鯉が飼育されています。
椅子ひとつ、植物ひとつに至るまで、いい意味で全くセブを感じません。オーナーの目指す形が表現された結果なのかもしれませんね。
館内は2つの棟に分かれており、上の写真が旧館、その下が新館となっているようです。個人的には旧館がやや薄暗かったので新館の方がイメージが良かったのですが、旧館は写真のように通路が入り組んでおり、まるで城の中にいるかのような雰囲気がありました。
新館2階にも花が飾られています。客室自体がそこまで多くないこともあって、人の出入りが少なく、こういった一つ一つの装飾品がより存在感を発揮します。
特に今回美しいと感じたのはこの階段です。新館2階に繋がるもので、段の大きさが少し大きいので上がるのが多少大変です。それでも手すりの木の色、土台の緑色、枠の金属装飾など、まとまりがあって美しかったです。これに日が当たると、また違った見え方をします!
新館3階には小さなバルコニーがあります。ここでやっとセブっぽさを感じる「洗濯物」の数々。お客さんの使うスペースでシャツを干してしまうあたり、なんだか安心したところがありました。
それでも南国特有の鮮やかな花を咲かす植物が沢山生育しており、青空に映える赤が印象的でした。
最後に「Europa Mansionette Inn」で筆者が最もセブらしさを感じなかった、このドアをご紹介します。こちらは旧館2階奥にある勝手口です。普段は稼働していないようですが、見事な曲線を描く金属のドアから光が差し込んでいました。こんなに細い廊下ですが、左の壁には絵画が飾られ、まるで美術館のような空間を楽し婿とかできました。
「Europa Mansionette Inn」は価格も良心的で、公式サイトでは最も安いスタンダードルームは1泊1室あたりなんと668ペソ(約1,800円)で現在紹介されています。現地在住の方は休みの日に非日常を求めて、このホテルに泊まってみてもいいと思います。
観光で主要ホテルに宿泊すれば間違いなく快適な時間が保証されますが、こんな少し変わったホテルを選ぶと、日本では得られない体験、発見があるかもしれませんね!
参考:「Europa Mansionette Inn」公式サイト (写真は全て筆者撮影)
「Europa Mansionette Inn」
(Taku)